あすぎブログ

青森県民の歩み

子供の頃に田舎で経験した不思議体験

子供の頃、私は母の実家がある田舎で夏休みを過ごすことがよくありました。

その時に経験した不思議な出来事が、今でも私の心の奥深くに深く刻まれています。

 

母の実家は、小さな集落からさらに山へと進んだ先にあり、周囲を深い森に囲まれた静かな場所でした。

その年の夏、私はいつものように祖父母と過ごしていましたが、ある晩、その平穏が破られました。

 

夜中、私は何かが起きて目が覚めたのです。

窓からは月明かりが部屋に差し込んでいました。

静けさの中で、窓の外から微かに聞こえてくる、子供のような声が耳につきました。

それは「遊ぼうよ」と繰り返し囁いているように聞こえました。

 

一瞬、自分の耳を疑いました。

しかし、その声は続き、私は勇気を振り絞り、窓の方へ目を向けました。

そして、見たものは……。窓の外、月明かりに照らされた庭に、私の年齢くらいの少年が一人、立っていました。

その顔は見えませんでしたが、どことなく親しみのある姿に、私は怖さよりも驚きを覚えました。

 

翌朝、そのことを祖父母に話したところ、祖母は少し考え込みました。

そして、その集落には昔から伝わる言い伝えを教えてくれました。

それは、山に迷い込んだ子供の霊が、友達を求めて時折現れるというものでした。

 

その日以来、夜中の子供の声は二度と聞こえませんでしたが、あの晩の出来事は、私の中で深く色褪せぬ思い出として残っています。

あの子供の霊が、私を友達と思って声をかけてきたのか、それともただの夢だったのか。

 

真実は誰にも分からないまま、私の田舎での一夏の不思議な体験として今も語り継がれています。